先日学校管理者向けのセミナーを行いました。

私が行うセミナーは,学校に通う児童・生徒の保護者等から,学校に対してクレームがあった場合,法的にはどのような対応をすべきかということを,具体的な事例を通じて解説するという内容になっています。具体的な事例を説明する際には,寸劇を取り入れ,実際にクレーマーと対峙しているような臨場感を感じられるように工夫しています。

今回のセミナーは,3月に行ったセミナーの続編というべきもので,「いじめ」問題以外に,専門学校において生じやすい問題,学校教諭の雇用問題について取り上げました。

例えば,
児童が同級生から「いじめ」に遭っているとして,保護者が来校し,学校に対して調査を要請するとともに,書面での回答を要求するといった事例では,書面で回答することの是非,回答する場合の書き方・体裁などについて解説しています。
一般的には不用意な書面を提出することは避けるべきなのでしょうが,相手方の感情や生じた問題の重大性によっては早い段階で学校側のスタンスを示す書面を出すことも有用です。

また,「いじめ」の事例では,相手方から当該事案の評価を求められた場合どのように対応するか,つまり,「先生,これは『いじめ』ですよね!?」といわれた場合,どのように回答するか,さらに進んで学校が事案についての評価をする場合にはどのような事前調査が必要か,という疑問について,実際にあった事案を参考に,やりとりを再現して解説しています。
学校は捜査機関ではないため,いざ事件が生じた場合にどのような調査をして,どのような事実があったのかを把握し,これを適切に評価をすることが難しいことがあります。本セミナーでは,時間の関係もあり全ては伝えられませんが,「少なくとも,このような調査をすべきである」ということをお伝えしています。