「くまもん」を作ったデザイナーの話。
かいつまんでいえば,「センスがいいですね。」,「自分にはセンスがないから,そのような発想はできません。」という考え方に対して疑問を呈する本。

顧客の望みに応えるために,膨大な量の調査を行って提案したデザイン等が結果的に「センスの良い」提案になっていると筆者はいう。

自分は,デザインとか,ファッションとかの「センス」が全くないと思っているのだが,最近は法律上の請求の「センス」とか,依頼者と対応するときの「センス」なんかはちょっといいんじゃないかな?と思っている。
その「センス」の根拠っていうのがどこにある?と改めて考えて見ると,筆者のいうように,提案の前に事件の性質とか,顧客の属性とかを考えて,いろんな方法を模索してから提案するのが効いているような気もする。

そう考えると,「センスがないから・・・」というのは,依頼者に対してきっちりとした提案をできない言い訳に過ぎないんじゃないか?と思えてくる。
実際,「私は法律的センスがないから,負けるかもしれません。」などという弁護士はいないとは思うのだが・・・。

結局地道な努力の積み重ねが,結果的に第三者からの「センスが良い」という評価につながるものなんだな,と納得させられた。

業種を超えて,現在の自分の仕事のやり方とか,立ち位置とかをもう一度真剣に考えてみようと思っている人には是非読んでもらいたい本です。

センスは知識からはじまる [ 水野学 ]
センスは知識からはじまる [ 水野学 ]