弁護士の業務の内の一つに,法律相談というものがあります。

相談者から,「これこれこういう事態が起こったんだけど,法律的にどうしたらいいの?」という質問を聞いて,「その場合は,法律上はこれこれこういう ことだから,こういう風にすれば,こうなると思いますよ。」という回答をするものです。
その場で回答しなければならないし,相談者は一般的に始めて会う人ですので,伝えなければならないことが正確に伝わっているか否か判断するのが難しいため,意外に緊張する業務でもあります。

法律相談は,さまざまな組織が無料で提供していることもあって,利用したことがある人もいるのではないかと思います。法律相談は,費用が無料か,低廉(時間当たり1万円くらいか)であることから,弁護士の提供するサービスの中でも利用しやすいものになっていると思います。
※弁護士に訴訟等を依頼すると,何十万は必要になってしまうので,それと比べると「低廉」といえるという意味です。 

法律問題の解決の端緒ともなる法律相談なのですが,「困ったなあ」と思ってしまう相談者も中にはいらっしゃいます。対応が難しいな,と思う相談について若干説明しようかと思います。

その1 法律相談が「法律の相談」ではない。
例えば,●●さんと旅行に行こうと思っていたのね,そんでパンフレットとか集めて,どこにいこうかなって調べてたのよ。それで,結局最近は,料金も安くなっているって事もあって,韓国にいこうかなって思ったんだけど,それは,●●さんに聞いてからにしようかな,なんて思って,一応それは候補としてあげといて,他にオーストラリアなんかもいいなって思い始めたもんだから・・・・・・・

というテンションでずーっと話し続けるので,「で,結局どうなったんですか?」って聞いたら,相談者が楽しみにしていたのに,●●さんは「旅行に行かない」 という。これはひどいんじゃないか?慰謝料などを請求できるのか?という話。
これついては,「法律的には請求するのは難しいですね。」とお話しして納得して頂くことにしています。

その2 法律相談で全てを解決しようとする。
例えば,もの凄く分厚い契約書等をもってきて,「この契約書になにかもんだいはありますか?」と質問する。
基本的には,無料の相談は30分に決まっているので,概ね30分で相談・回答が出来るものでないと 対応は難しいです。
契約書の場合は,全体の構成を見たりしないと正確な理解が出来ないおそれがあるので,「この点だけ確認してくれればいいですから。」と言われても,正確な回答は難しいと思います。
私は「この部分に関しては,●●という意味では大丈夫と思うけど ,全体を見ていないので,他の条項との絡みでそうじゃないかもしれませんよ。」と返答しています。

その3 法律上明らかに無理な主張であると伝えても,なんとかできないか?と 食い下がる。
ものによっては,専門的なスキルを持っている弁護士さんであれば,請求を立てて裁判上認められるように持って行くことができる場合もあるかもしれません。
しかし,どの弁護士がみても「これはだめだな」っていうものがあることも確かです。
そのような場合に,「でもこうやったらできませんか?」とか,「他の先生だったら出来たりしませんか?」という風に粘り強く質問してくる人がごくたまにいらっしゃいます。
これはこれで困りますね。

 
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